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◆◇◆ ☆建築雑知識 041号
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◆住宅性能表示の評価基準の「番外編」その5◆
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前回は外壁仕上げ材である吹付け材を取り上げました。チェックの方法として、手で触
り白い粉が手に着くようですと、要注意と申しました。
読者の皆様はチェックされたでしょうか?
今回は外壁材そのものを取り上げます。
【外壁の移り変わり】
<板張>
・木と紙で出来ていると言われた日本の住宅は、外壁もそれこそ木で造られて来ました。
いわゆる板張りですね。今でもウッディな住宅を望む方に強く支持されています。
張り方も竪張り横張りがあり、工法も色々と有ります。
「雑知識」として少し紹介します。
竪張り・・・竪羽目板張り
(縦長の天然木板を横に突きつけて張って行くやり方で、板の突きつけ部
分を、お互いに凸、凹に加工し隙間が出来ないように工夫している。)
横張り・・・横羽目板張り
(羽目板を横に張る張り方。横羽目板張りは突きつけの部分に雨水が何時
までも残りやすく、そのために腐りやすいので外壁には用いられない。)
・・・下見板張り
(横板を壁の下の方から少しづつ重ねながら張っていく工法。雨滴は横板
を伝って下へ下へ落ちていきます。)
下見板の外に縦の押さえ縁がある物を押縁下見板張り、押縁のない物を
南京下見板張りと言います。押さえ縁が有ると和風な感じがし、南京下
見板張りの張り方は、輸入住宅などにも見られ洋風な感じがします。
・下見板張りの時代の壁には、下見板の奥に土壁がありました。要は下見板は土壁を雨
から守る保護材兼化粧材だったわけですね。
でも、現代の壁は土を殆ど使わなくなり、土の代わりにグラスウールマットや、発泡
ポリスチレン系などの断熱材が多く使われるようになってきています。
・下見板は無垢の板です。無垢の板が保護材に使われていたとは、余程木材が安い時代
のことでしょう。今では随分と高価な外壁となってしまいました。
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<モルタル壁>
・板張りの外壁に代わって出てきたのが、モルタルの外壁です。
理由は延焼しにくい外壁として、建設省、消防庁が推奨してきたためです。
ウッディな外壁を望まれていても、地域と敷地の条件によっては木造の外壁に出来な
い所もあります。そう言うところではモルタルの外壁の住宅が普及しました。その後
も延焼規制に関係なしに、気密な外壁と言うことでモルタル塗りの住宅は一般的にな
りました。
・住宅のモルタル外壁で良く見られたのが、モルタルの掻き落とし仕上げです。
モルタルを塗り、固まってしまう前に表面をワイヤーブラシなどで掻き落とし、表面
に蜜柑の肌のような少し凹凸のある柔らかな表情の外壁が好まれました。
掻き落としの技術は熟練を要し、その後普及した吹付け材により使われる頻度は少な
くなってきましたが、その柔らかな表情を支持する人は多くいます。
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<サイディング>
・新築は勿論のこと、外装リフォームの手段としてもてはやされています。
サイディングは昔から見られる下見板張りの現代版と考えていいでしょう。
・サイディングが重宝される理由に
a.モルタルと同じように防火性能が高い製品であること。
b.施工が容易な乾式工法であること。
c.モルタルと違い宿命的なひび割れがないこと。
d.取付に技術を要しないこと。
などが揚げられます。
更に、最近注目されている外断熱通気工法が出来る工法であること。
などでしょうか。
・サイディングと言っても、その材質は色々あります。
a.木質系・・・無垢の板を使う下見板張りに代わる廉価な代用品的なサイディング。
木材、合板、木毛セメント板、木片セメント板など。
仕上げとして吹付けをします。
b.金属系・・・スチールやアルミ板を加工した物。裏に硬質発泡ウレタンなどの断
熱材を施した物が多い。
表面仕上げは色んな種類の塗料を焼付け塗装してあります。
表面のパターンも数種類有り、一見金属には見えませんが、尖った
物で衝撃を与えると窪んでしまいます。とにかく軽い。
標準的な形状
t=0.4〜0.6mm(金属の厚み)断熱材を入れると18〜25mm
w=200〜455mm
L=2,700〜3,800mm
材質が金属なので、表面の焼き付け塗装が命。メンテナンスが必要。
吹き付け材と同様、手で撫でて白い粉が付くようだと塗装替えが要。
C.窯業系・・・ヨウギョウ系と言ってもタイルではない。セメント系の物で、高温
高圧で成型するために窯業系と呼ばれる。
多くは珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石膏スラグ系の物が多
い。中にはこれらの材質に木質やパルプを混入した物もあります。
無機質のため防火性能は高い。
変質しにくくメンテナンスフリーと称している物が多い。
模様パターンも豊富で、石貼り状の物もあります。
標準的な形状
t=12〜18mm
w=455mm
L=1,800〜3,000mm
次のURLをご覧になると分かり易いと思います。
http://www.recpas.or.jp/jigyo/cd-rom/gaiheki/menu.html
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★サイディングの施工の手軽さは、リフォームで最も力を発揮しています。
でも、リフォームで注意したいことが有ります。
リフォーム業者によっては既存の外壁の上に単純にサイディングを張り重ね、既存の外
壁を覆い隠すだけのリフォーム業者がいます。
新しい外壁材で覆われた建物は、一見新築のようですが、問題は下地にあります。
例えば、既存のモルタル外壁でモルタルが浮いてしまっているのに、その処理をせずに
サイディングを張っていくなど、後々問題になることが解っていても平気な業者がいる
ことです。
モルタルに止めるのでなく、丈夫な下地にしっかりと止めなくてはなりません。
また、一部の業者には言葉巧みに市場の2倍、3倍もの値段で施工していることです。
次回も外壁を続けます。
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★編集あとがき★
マガジンを書いている間にも、オールスターのテレビの声援が気になります。
今日はここまでにします。
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が「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
http://www.kentiku-kikaku.com/
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