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◆◇◆ ☆建築雑知識 038号
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■■■■■ Engineer & Architect group 建築企画
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◆住宅性能表示の評価基準の「番外編」その2◆
前回屋根を取り上げましたので、今週は「壁」をとパソコンに向かいましたら、ふと、
屋根にはフラット屋根も「有るじゃない?」と思い、急遽外壁の先に屋上防水を取り上
げる事にします。
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◇【水の流れの原則】
「家」のイメージは、当マガジンのタイトルマークにも有るように、勾配屋根が一般的
イメージですね。屋根勾配や屋根の重なりは家のデザインを決める上で重要な要素です。
フラット屋根はデザインとしては単調になりがちですが、屋上を有効に利用できるメリ
ットがあります。
勾配屋根とフラット屋根、形が変わると屋根材は随分と異なってきます。
勾配屋根は「水は高きから低きに流れる。」の原理に逆らわず水を流していますね。と
ころが、フラット屋根はこの原則を無視して平らで水を受ける形になってますから、こ
の防水材そのものが全てです。
このように重要な防水ですので、住宅保証制度が出来る以前から防水に関しては10年
保証をしてきました。
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◇【防水材の種類】
<アスファルト防水>
・フラット屋根防水の代表選手
石油の成分のアスファルトを成分としたシートとドロドロに溶かしたアスファルトと
を幾重にも重ねて接着して層(膜)を作ります。
ドロドロのアスファルトは現場で暖めて溶かしますが、この時発生するCO2 の臭い
が強烈で、皆様の不評を買っているところです。
しかし、防水の歴史も古く実績もあり、最も信頼できる防水です。
何と言っても、「水と油」の関係ですからね。
☆アスファルト防水は強烈な臭いを発生させるので、一時嫌われてきました。
臭いの元のCO2 は臭いだけでなく、地球を守っているオゾン層を破壊する悪役で
もあるからです。
でも、今ではCO2 や臭い、煙の発生しない工法が一般的になってきました。
従来のアスファルト工事は建設現場に熔解釜を持ち込み、釜に固形のアスファルト
を入れて下から火を焚き暖めて溶かしていました。ですから現場ではアスファルト
が燻される煙と臭いが立ちこめていました。
新しい工法は、アスファルトを精油所で熔解し、溶けた状態を保ったまま現場に運
びこまれ、現場でも電気で熔解温度保つ特殊な容器に入れて施工します。
製品も改良されていますが、現場で溶かさない事が一番の改良点です。
こんな工法があるのに、町中でアスファルトを溶かしてる現場があったら即、通報
ですね。
<アスファルトシングル葺き>
・戸建て住宅でも用いられているアスファルト防水の一種。
・露出アスファルト防水の最終工程に用いられる砂付きルーフィング材を、巾30cm、
長さ90cm、厚み2mm程度の小さな板にしたような物で、カラーベストのように
重ねて貼っていく。
カラーベストが釘止めであるのに対して、シングル葺きは接着止めになります。接着
止めでもほぼ面全体に接着されますから、釘止めのカラーベストより風圧力に耐えら
れます。
・カラーベストより風の強いところや高いところにも使用できるほか、曲面の屋根にも
使用できるので需要の巾も大きいと言えます。
・普通のアスファルト防水がロール状のシートであるのに対して、小さな部材を貼り合
わせるので、フラット屋根にすることは出来ませんが、カラーベストの勾配より緩い
1/10勾配でも可能です。
・アスファルトの色は真っ黒ですが、表面に色々な色の小さな粒を吹き付けてあるので、
住宅の屋根に向いたアスファルト材です。
<各種塗布(塗膜)防水>
・アスファルトが天然素材である石油から直接取り出して出来るのに対して、塗膜防水
合成化学の防水材です。
アスファルト防水より扱いが簡単なことから、近年多用されて来た材料で、特に改修
工事に向いています。
アスファルト防水と同じで、シート状のものを何枚も重ねますが、アスファルトが防
水性の高いシートを貼り重ねる感じに対し、塗膜防水は芯になるシート状の防水材を
液状の防水材で塗り固める感じです。塗っては乾かし、塗っては乾かすと言う工程を
繰りシートと液とか硬化して一つの膜を造り出します。
これは言葉では解りづらいと思いますので、次のURLをクリックしてみて下さい。
http://www.kentiku-kikaku.com/main/kaishu2.html
次回も塗膜防水の続きから始めます。
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★用語の説明コーナー★
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バウビオロギー住宅・・・建築生物学「建築(バウ)と生命(ビオス)と学問(ロゴス)」
の合成語。
「人間と自然に適合した理性ある建築をめざす。」とドイツを
中心に欧米各国で運動が広がっている。
建材を吟味し、自然の恵みを生かした建物をめざし「癒しの家」
の趣もある。
建材だけでなく、自然を取り込む。「坪庭」や屋上庭園に止ま
らず、家そのものを草花で飾る例もある。
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★編集あとがき★
予告を変更し「防水」を取り上げましたことをお詫び申し上げます。「外壁」は「防水」の
後に必ず取り上げます。
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『建築雑知識』は建築技術者と建築家のグループ
「Engineer&Architect group建築企画」
が「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
http://www.kentiku-kikaku.com/
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