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◆◇◆ ☆建築雑知識 036号
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■■■■■ Engineer & Architect group 建築企画
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「建築雑知識」は、創刊号を発行して以来、住宅性能評価基準の項目をテーマにお話
を進めてきました。前号で丁度9つの住宅性能評価基準のテーマを完了したことにな
ります。
今後は新たなテーマでお送りしたいと思ってますので、引き続きご愛読の程、宜しく
お願いします。
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今回はこれまでの長い間、題材に使ってきた「住宅性能評価制度」をまとめたいと思
います。
<住宅性能評価制度>
この制度が出来た背景は、個人が発注したり購入したりする住宅に性能のバラツキ
があり、ひどい場合には欠陥住宅に住まわせられる事態が多く発生したからです。
そこで皆様が安心して発注したり、購入したりできないか検討され生まれたのが
「住宅の品質確保に関する法律」という法律です。
この法律で住宅の性能を客観的に評価できる仕組みを取り入れました。
それが「住宅性能評価基準」です。
基準の項目はこれまで題材で扱ってきました9つの項目から成り立っています。
1.構造の安全に関すること。
2.火災時の安全に関すること。
3.劣化の軽減に関すること。
4.維持管理への配慮の関すること。
5.温熱環境に関すること。
6.空気環境に関すること。
7.光・視環境にかんすること。
8.音環境に関すること。
9.高齢者への配慮に関すること。
性能評価基準の中には、更に戸建てと共同住宅(集合住宅)に大きく2つに分けて
扱っています。
それは当然ですね。例えば、(8)の音の項目は共同住宅には独特の問題が有るの
で、戸建てと同じ項目で処理するのは無理だからです。
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【活かしたい性能評価】
住宅の性能評価を受けようとすると費用がかかりますが、次のメリットを受けるこ
とができます。
1.性能を客観的に評価され、ご自身のマイホームの性能を把握することができ
ます。
☆2.設計段階の審査だけでなく、工事期間中にも「性能に合った工事がなされて
いるか」立会い検査が数回行われます。
☆3.評価を受けた住宅は、万が一入居後に欠陥が発見された場合でも、指定紛争
処理機関により迅速に「斡旋」、「調停」、「仲裁」を受けることができま
す。
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註)
☆2:住宅の建築検査は、お住まいの市や区役所が行う建築確認申請での書類審査
や立会い検査です。
役所の検査はあくまでも申請があったものに対して行われ、性能審査と言う
よりも、周辺との関わり合いの有る事項(例えば、用途地域違反、建蔽率違
反、容積率違反、高さ制限違、防火指定構造違反など)が主で、建物個々に
対して木目細かな検査をする訳ではありません。
「それでも役所の検査があるから大丈夫」と考えるのは少し甘いですね。
悪質な業者は「検査依頼申請」をしませんから、役所の検査を受けずに建主
に引き渡すことが多いのです。
役所も違法建築をパトロールしてますが、全現場をパトロールする事は不可
能な状態です。
その点「住宅性能評価」を受けた建物は、評価項目の工程に従い何度も立会
い検査をしますから間違い有りません。
☆3:従来、欠陥などで紛争が起きたときは、まず当事者間で話し合われます。
大抵の場合、業者がのらりくらりした態度をとり、皆様が根負けしてしまう
ことが多いですね。
根負けしてしまうのは、主張が正しいと思っても「裁判による解決は長期化
してしまい、その間の精神的苦痛を考える・・・・」と言うことでしょう。
今回性能評価書を発行された住宅の紛争は、建設大臣が弁護士会等を「指定
住宅紛争処理機関」として指定し、裁判に依らずに紛争を迅速に解決する様
にしたところが画期的です。
「紛争機関」が出した仲裁の内容は、裁判所の判決と同等の効力を発揮すると
言っていいでしょう。
紛争解決の費用は「住宅性能評価」を受けるときに支払う費用に含まれいま
すので、安心して利用できます。(実際は濫訴防止に申請費1万円必要)
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※「E&A」のホームページで扱っています「E-mail無料相談」には、建てた
後に出てきた雨漏り等の問題が多いですね。
出来るだけ詳しくお話をお聞きして、対応などのアドバイスをさせて戴い
ております。しかし、こじれてしまっ場合を考えると、このような紛争機
関を利用した方が良いですね。但し、これは住宅性能評価を受けた住宅の
みの特権です。
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【既存建物にも性能評価】
『建築雑知識』を創刊した頃は、住宅性能評価は新築工事に限った制度でした。
発行早々の第2号でも、多くの既存の住宅は性能評価制度の恩恵を受けられ
ないと嘆いたものでした。
しかし、既存住宅に対する性能評価のニーズは高く、国土交通省は既存住宅
(中古住宅)を性能評価・表示するための「住宅品質確保促進法施行規則」と
「住宅性能表示基準」等の改定、制定し公布、施行しました。
これは、中古住宅を皆様が購入するときに大いに役立つ制度と考えられます。
中古住宅は表面的なものでしか値打ちを判断できませんでしたが、この制度
では第三者評価機関が壁や床、天井等を部位別に現況をチェックするところ
に特徴があります。
これまでは、不動産屋さんの説明と表面だけを見て、建物が大丈夫かどうか
判断していましたが、専門家の目でのチェックが加わると安心ですね。
ただ、買い手市場ですと、「性能評価の証明が無い物件なんか買えないわ。」
と強気で言えますが、売り手市場の場合は、購入者が専門家の評価を希望し
てもなかなか採用してもらえず、制度が活かされない可能性は有ります。
これは、新築物件に付いても同じ事が言えます。
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★編集あとがき
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冒頭でも述べましたように、住宅性能評価基準の9つのテーマが完了しました。
これからは、皆様の関心のあるテーマを扱っていきたいと考えています。
ご希望がございましたら、どしどしお申し込み下さい。
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『建築雑知識』は建築技術者と建築家のグループ
「Engineer&Architect group建築企画」
が「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
http://www.kentiku-kikaku.com/
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