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◆◇◆ ☆建築雑知識 023号
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■■■■■ Engineer & Architect group 建築企画
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前号は温熱環境の断熱材、結露を書きました。今回は結露の続きを書きます。
記事に図を入れてます。
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■住宅性能表示の評価基準(5)温熱環境−その2
※内部結露※とは、窓などの表面に着くのでなく、壁などの内部に着く露のことです。
内部に着くことが大問題となります。
外側から中の様子は分かりませんから、ついつい放っておきますね。
たとえ、判ったとしても拭くことはできませんから、どうしょうもないです。
放っておくとどうなると思います?
いつも露に濡れてビタビタの状態が長く続けば、木造は腐ってきます。
家を支えている下の土台から腐って来るので、さあ大変です。
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<結露>・・・結露の仕組みをもう一度おさらいしましょう。
空気中の水分は、空気の温度が高ければ高いほど、多くの水分が溶け込
みます。温度が低くなると溶け込む量が少なくなり、溶けきらない余分
な水分が水に還ってしまいます。
◆冷たいコップの表面に結露ができるのは、コップの周りの空気が急激に
冷やされ、溶け込めなくなった余分な水分が水に戻ったためです。
空気中に溶け込んだ水分が水に還る時の温度を露点と言いますが、コッ
プの表面は露点以下の温度になっていたために結露が起こりました。
│ │ _表面が露点温度以下になる。
│ │/
│ │※←
冷│ガ│※ 室
│ラ│※←
│ス│※
水│コ│※← 内
5℃│ッ│※10℃ 25℃
プ\
 ̄水滴
◆では、発砲スチロールのコップではどうなるでしょう?
ご存じのように、発泡スチロールは断熱材ですね。同じ冷たい水でも発
泡スチロールの表面は露点温度まで下がりません。
だから発泡スチロールの表面には結露ができないのです。発泡スチロー
ルの場合の露点は表面でなく、冷たい水に近いスチロールの内部にあり
ます。
となると、発泡スチロールの中で結露が起きる?・・・そんなことは起
きません。なぜなら、スチロールは一体になっていて水分が進入できな
いからです。
│ │_内部が露点温度以下になる。
│/│
│ │←
冷│ス│ 室
│チ│←
│ロ│
水│|│← 内
5℃│ル│20℃ 25℃
コ
ッ
プ
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どんなとき内部結露が起きるの?
●内部結露・・・壁を挟んで、外部側から冷たい空気、室内側から暖かい空気が隣り合
っています。
Q.壁が断熱性のない薄いボード張りだったとしたら、どうなると思いますか?
A.ボードの室内側の表面温度は、外気の影響を受け冷たくなり、室内側の表面
に結露するでしょう。ガラスのコップと同じですね。
Q.では、断熱材を入れた壁の場合、今度はどうなると思いますか?
A.暖かい空気は壁を通過するに従い、だんだんと温度が下がります。結露する
温度(露点)が室内側の壁表面でなく、もっと外気に近い側に移り断熱材の
内部に移り内部で結露が起きます。
★エッ! 断熱材を入れた方が内部結露を起こし危険???
A.結露の原因に温度差を前回述べましたが、結露に大きく係わっているものに
湿気があります。
温度が下がっても室内側の湿気が小さい場合は、空気中に水分が溶け込む余
裕があり、結露は起きません。
すなわち、結露は温度と湿度の両方が関係した現象なのです。
だから断熱材を入れたから危険というものではありません。
Q湿度が高い場合には、どうなるのですか?
A.温度が外部に向かって下がるのは防ぎようがありませんが、水分(湿気)の
ある空気を壁の内部に透過させなければよいのです。
│ │/┃│
│ │/┃│←
外│ │/┃│ 室
│ │/┃│←
│ │/┃│
部│ │/┃│← 内
断防
熱湿
材層
露点温度まで下がった断熱材に、室内側の湿った空気を触れさせなければ、結露
は起きません。
断熱材の室内側に防湿層を設け、湿気を遮断すると良いのです。
↓
↓
┌─────┐
│ 高気密 │
└─────┘
※高気密とは、熱だけでなく、湿気の気密でもあったわけですね。
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★前回紹介の北海道の事故はどうして起きたのですか?
A.事故は高断熱住宅が叫ばれた頃のことですが、大事な防湿層に対する認識が
不足していたためか、工事がズサンであったためと考えられます。
具体的にはシートに穴が開いていたか、シートの合わせ目が不充分だったか
と推測されます。
●まさかとは思いますが、結露の理屈を知らない現場職人さんが、防湿シートを
断熱材の外側に設けたとも考えられます。
●読者の皆さんは、断熱材を防湿層の外側に設けたら、もうどうなるかお解りで
すね。
防湿層が断熱層の外側に設けられると、室内の湿気は断熱層を通過して防湿層
まで達します。
この時、通過する断熱層の或る地点が、露点温度まで下がっていると、断熱層
の中で結露してしまうことになるのです。
●せっかく分厚い断熱材を使っても、薄い防湿層を軽く考え雑に扱ったり、やり
方が間違ってたら、目に見えないところでトンデモない結果になると言うこと
です。
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★注★
建築に携わっている人は、全て理屈が判って仕事をしているとは限りません。
皆さんは、建築で飯を食っている人は、建築のことは何でも知っているプロと思
うでしょうが、現実は違います。
もっとも、職人さんが知らなくても監理者がしっかりしていれば、こんな事は有
り得ないことです。
問題は、監理者が付かないリフォームや、増改築などの小規模な工事で、職人さ
ん任せの工事ですね。
◆「E&A]は、決して職人さんを馬鹿にしているのでは有りません。
我々も職人さんに教わる事は数多くあります。
が、しかし、本物の職人さんが少なくなった現代では、気質も、技術も昔と様変
わりです。
ですから、「皆さんも注意が必要ですよ。」と警告するのは、我々グループの務
めと思うからです。
◆「E&A」は、小規模の工事こそ【監視の目】が必要と思っています。
ただ、小規模工事に監理費をご負担戴くのは、今の世情では現実的でないとも思
います。
そこで我々は、皆さんに余分なご負担をして戴かないでもキチンとした監理を受
けられるように、「コンストラクション・M・システム」を展開しています。
詳しくは http://www.kentiku-kikaku.com/ をご覧下さい。
◆工事費のコストを削減することで、その中の一部を監理費用に当てて戴き、間違
いのない工事にして戴きたいと願っております。
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★編集あとがき★
高断熱高気密住宅は○○断熱材でなければならない。△△断熱材では問題が起きると、
断熱材メーカー同士が他の製品を中傷してますが、それぞれの断熱材には特徴があり、
適正に使えば問題はないと考えます。
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『建築雑知識』は建築技術者と建築家のグループ
「Engineer&Architect group建築企画」
が「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
http://www.kentiku-kikaku.com/
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