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◆◇◆ ☆建築雑知識 002号
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■■■■■ Engineer & Architect group 建築企画
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先週は創刊号をお送りし、E&A建築企画が「メルマガ」を発行する経緯を説明し
ました。
それでは、今週から「住まい」について勉強しましょ!
もっとも、勉強すると言っても教科書を広げて、メモを取ってと言った堅い勉強で
はありません。気楽に流し読みして下さい。
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【欠陥住宅を防ぐ法】
この「法」は「ノウハウ」の法でなく、法律の「法」です。
「えっ!そんな法律があったの?」と喜ばれる方が大勢おられると思います。
『住宅の品質確保の促進等に関する法律』がそれです。
いかにもお役所的で堅い名ですが、扱っている内容はこれまで野放しになっていた
違法建築や欠陥建築から、消費者である皆さんを守る制度をつくるための法律とな
っています。
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【制度の主な内容】
1)瑕疵(かし)担保責任の強化・・・構造上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分
の欠陥には最低10年間の保障を義務付け。
(今までは瑕疵期間は2年間が多い)
※いきなり法律用語や回りくどい言い回しが出てきましたが、正しく伝えるにはこ
んな風になるそうです。
平たく言えば住宅を建設したら、梁や柱などの構造上の大事な部分や、雨を防ぐ
屋根や防水については最低10年間補償しなさい。と義務づけしたことです。
ただ、転売してしまうとこの権利は消滅するので、中古の買い手は補償されない
事になります。
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2)住宅の性能表示制度の創設・・・せっかく建てた住宅が欠陥だったらどうします?
住宅の性能が客観的な基準に従って評価される
と安心ですよね。そう言う制度です。
※これまでは、造った工務店やメーカーが、自社の基準で性能を誇示してましたが、
これでは自画自賛ですね。
第三者機関が客観的に評価するところに評価の値打ちがあります。
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3)紛争処理機関の設置 ・・・性能表示を受けた住宅でのトラブルは、裁判所
に頼らずに迅速に解決する専門の紛争解決組織
を創設する。
※住宅建設に関するトラブルは多くありますが、普通の民事の裁判と成ると長期化
します。ただでさえ精神的に参って居るのに、更に裁判で長い間もめるのは嫌で
すね。泣き寝入りされているケースが多くありませんか。
そこで、上の2)性能表示を受けた住宅に万が一紛争が在った場合は、裁判所に依
らずに迅速に判決を出す機関を造って処理をすると言うことです。
申請料も1万円で済みますから、裁判の弁護士費用を考えると助かりますね。
また、紛争処理機関の判決は裁判所と同等の重みを持ちます。
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◆(1)は全ての新築住宅に対する義務付けですが、(2),(3)の制度は強制でなく任意
の制度です。
評価を受けるかどうかは皆さんの判断次第ですね。
評価を受ける受けないは、評価を受けるメリットがあるか、どうかでしょう。
評価機関の一つである日本E.R.I.株式会社の石村副社長は次のように語ってます。
http://www.j-eri.co.jp/
「この制度で消費者は3つの安心を得られると思います。
第1の安心は、違反建築・違法建築を排除出来ることです。
第2の安心は、施工段階での手抜きや、材料のグレードダウンが著しく困難に
なることです。
第3の安心は、建築紛争の処理が簡便にかつ迅速になることです。
つまり、住宅性能評価書の交付を受けた住宅には、制度的に、幾重にも、従前
にはなかったセーフテフィネットが、存在することになります。
消費者から見れば評価手数料を支払うに充分値する良い制度が始まる、と確信
を持って申し上げたい。」
◆評価は、設計図書の評価、施行段階検査、完成物検査3段階でのチェックが入り
ます。この制度の良いところは設計内容と、実際の建物をチェックして「評価」
をする所です。
「チェックして初めて完了」とする考えは、特に欧米で強いですね。
欧米でのチェック体制はもっと細分され、コンクリート打設にはコンクリート打
設専門のチェックマンが居るそうです。
これは、最悪の場合を仮定し行動する危機管理の違いでしょうか。
◆評価手数料は先の日本E.R.I株式会社の場合で、
・戸建て 200uまで 5万円 200u以上 6万円
・共同住宅 7千円
戸建ての注文住宅は、個人で申し込むことは可能ですが、建売り住宅、共同住宅
の場合は、現場検査のタイミングで難しいですね。
この場合、売り手が評価を受けて「評価付きの住宅」を販売するのが現実的です。
「評価も受けてない住宅なんて、心配で買えないよ。」って事に成るのでしょう。
分譲住宅を購入するときは、「住宅性能評価は受けてるの?」と一言聞いた見て
下さい。
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◆【住宅性能表示の客観的基準とは?】
住宅性能は、下の9つの項目から評価します。どれも重要で関心のある項目ですね。
(1)構造の安定 ・・・地震や台風などに対する建物全体の強さを評価します。
(2)火災時の安全 ・・・火災時の建物の燃えにくさや、避難のしやすさを評価し
ます。
(3)劣化の軽減 ・・・建物の劣化を防止・軽減するための対策を評価します。
折角建てた建物でも、傷みやすい建物では心配ですね。
(4)維持管理の配慮・・・給排水やガス管の点検、清掃、補修のしやすさを評価し
ます。
(5)温熱環境 ・・・断熱などの省エネの程度を評価します。
(6)空気環境 ・・・湿気やホルムアルデヒドなどの汚染物質の影響の排除など、
室内の清浄さを評価します。
(7)光、視環境 ・・・採光などの視覚に関することを評価します。
(8)音環境 ・・・騒音防止や住戸内の音の伝わりにくさを評価します。
(9)高齢者への配慮・・・身体能力が低下したときの生活のしやすさ、住戸内の移
動の安全性及び、介護の安易正を評価します。
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◆【えっ!守られるのは新築だけ!】
そうです。このように消費者にメリットのある制度も、対象は新築工事に限りま
す。
又しても、最も監視されなければならないリフォームや増改築の改修工事は、置
いてきぼりです。
冒頭、消費者を守る法律が出来たと紹介したとき喜ばれた方も、肩すかしを食ら
った感じですね。
しかし、国の制度はなくてもE&Aが提唱している「コンストラクション・M・
システム」でセーフティーネットは充分です。
全国の建築士がサポートしています。
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★用語の説明コーナー★
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【瑕疵担保責任】
・・・瑕疵とは契約に決められた内容に成ってないとか、通常在るべき性能がない
などの欠陥のこと。
・・・担保責任契約上の言葉で、売り主は契約の定めた内容や社会通念上の性能を
補償する義務責任。
【担保責任期間】
・・・民法では「引き渡し後、十数年経ってても、欠陥を知った時から1年以内」
としてます。
宅建業法では、「引き渡し後、2年以上の期間で在れば契約で保証期間を定
めることが出来る」としてますので、殆どの契約は2年と成ってます。
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【編集あとがき】
いきなり法律、制度を紹介しましたので、肩が凝ったのではないですか?
次回からは肩が凝らないように分かり易く、住宅性能の評価基準を1項目づつ取り
上げていきます。
住宅性能表制度は、リフォームなどの改修工事には適用されませんが、住宅の性能
ポイントを知る上でよい題材と思います。
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『建築雑知識』は建築技術者と建築家のグループ
「Engineer&Architect group建築企画」が、
「建築を愛する皆様」へお送りします。
編集発行:E&A建築企画 事務局
E-mail:jim@kentiku-kikaku.com
URL: http://www.kentiku-kikaku.com
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