■ 本山龍池山大雲院本堂耐震改修  補強工事編−1 (写真の複製・転載・修正・加工は、かたくお断り致します。) | '07.04.30 ▲印の付いた画像は左クリックで大きい画面になります。 |
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耐震補強工事は、観光京都のシーズンオフを待ち、年明け早々に着手しました。工事現場が、清水寺〜三年坂(産寧坂)〜二年坂〜高台寺〜円山公園に連なる産寧坂伝統的建造物群保全地区に有り、観光客の往来が絶えない場所だからです。 工事は東山の静寂を打ち破る削岩機の騒音から始まりました。市街地での騒音の中にあっては気にも成らないコンクリートブレーカの騒音も、市街地から一歩中に入った工事場所では予想以上の響きで驚いてしまいました。ご近所の皆様には、この場を借りて改めてお詫びを申し上げます。 | ▲ 南 門 外 観 |
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◇ 耐 震 壁 工 事 | |||||
◆ 解体工事 | 耐震壁を増設するには、既存の柱・梁に固定しなければ成りません。土間・手摺りを解体撤去し、柱・梁を剥き出しにします。 | ||||
▲ 階段は耐震壁とは無関係ですが、漏水が見られましたのでタイルを撤去し防水を行います。 | ▲ 1階の耐震壁EW-1のため土間斫り(はつり)。 | ▲ 2階耐震壁EW-2のため、仕上げモルタル、手摺りを斫る。 | ▲ 2階耐震壁左EW-3と右EW-2のため、コンクリート手摺り撤去。 | ||
◆ シアー筋取付 |
今回の接着工法耐震壁の最重要ポイントの工事。 従来工法は既存柱・梁にアンカーボルトを打ち込み新設壁と一体化してたが、既存躯体を傷めるため接着工法を採用。 |
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▲ 既存柱・梁の接着面の土台造り。 | ▲ 既存柱・梁にシアー筋付き鉄板を仮止め。 | ▲ 既存柱・梁とシアー筋鉄板の隙間に接着剤が漏れないようにシール。 | ▲ 既存柱・梁とシアー筋鉄板の隙間に接着剤エポキシ樹脂注入。 | ||
◆ 型枠・鉄筋工事 |
コンクリート耐震壁の造設。 内型枠、配筋、外型枠の順で造設。 | ||||
▲ 1階耐震壁は後ろに既存壁が迫っているため、間にスタイロフォームを挟み込む。後で撤去。 | ▲ 2階EW-2、3の内型枠造設。 | ▲ 2階EW-2の鉄筋組み。黄色の円は開口部の型枠。 | ▲ 2階EW-2の外枠取付。 | ||
◆ コンクリート打設 −(1) |
重機を使ってのコンクリート打設。 高性能AE剤(流動剤)を使用。 | ||||
▲ 境内にミキサー車とポンプ車を配置する。 | ▲ ポンプ車のアーム。 この中をコンクリートが流れていく。 |
▲ ポンプ車のアーム関節。 | ▲ アームが打設箇所まで伸びる。 | ||
◆ コンクリート打設 −(2) | コンクリート流し込みはRC造の醍醐味。もたもたすると固まってしまうため、怒号が飛び交う男の戦場と化する。 | ||||
▲ 普通は上から流し込むが、既存の梁があるため注入口を設ける。 | ▲ 注入口に耳を当て、注入速度を指示。 | ▲ ジャンカが出来ないように型枠をバイブレーターで振動させたり、小槌で叩いたり必死の作業。 | ▲ 上も下も表も裏も、必死で叩く、叩く。揺する、揺する。東山の静寂も怒号と騒音で打ち破られる。 | ||
◆ 型枠の脱型 | 脱型の瞬間。それは、我が子の誕生ににている。旨く打ててるか。ジャンカはないか。型枠が1枚外され、コンクリートの艶のある表面が現れると、「あーっ、良かった。」と安堵する。 | ||||
▲ まず内側の型枠が外される。ジャンカも梁との隙間もない。 | ▲ 続いて外側の脱型。外の光に表面が光っている。 | ▲ 続いて開口の丸窓の脱型。この丸窓を通して見られる手前の桜の蕾が膨らんでいる。 | ▲ 隣のEW-3も良くでき上がった。丸と四角の競演が始まる。 | ||
◆ 造作工事 | 耐震壁を飾る木建具。付け長押、敷居が取り付けられる。 | ||||
▲ 木建具の敷居。 | ▲ 丸窓の上下に鴨居、敷居。 | ▲ 敷居の柱納まり。 | ▲ EW-3の縦長の窓枠。 | ||
◆ 左官工事 | 新設耐震壁の吹付け下地補修、巾木の復旧、格子以外の耐震壁を検討。 | ||||
▲ コンクリート吹付け面の下地造り。 | ▲ 内側も下地造り。 | ▲ 1階独立柱の礎石を模したモルタル巾木 | ▲ 2階モルタル巾木 | ||
▲ 土間コンクリートの目地棒取付。 | ▲ 土間の豆砂利コンクリート金鏝仕上げ。 | ▲ 豆砂利洗出し仕上。半乾きの状態で表面のセメント分を拭き取る。 | ▲ 回廊の防水モルタル金鏝仕上げ。 | ||
◆ クラック補修工事 | 本堂は、これ迄に何度も地震に遭遇しています。地震の傷跡(クラック)が小屋裏で多数発見されました。耐震補強だけでなく、クラック補修も重要な耐震補強です。 | ||||
▲ 天井裏に板で足場造り。 | ▲ クラックに沿って接着剤の注入口を設置。 | ▲ 注入時に接着剤が漏れないように、クラックをシール止め。 | ▲ 丸い突起が注入口。クラックに沿ってシール材が盛り上がっている。 | ||
▲ 注入口に接着剤の注入器(注射器みたいなもの)が差し込まれる。 | ▲ 注入器がクラックに沿って何本も並ぶ。 | ▲ 注入器。輪ゴムの圧力で少しづつ注入される。 | ▲ クラック内に接着剤が行き渡りと、圧力が掛かった接着剤はシールの弱い所から浸み出す。 | ||
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