~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H25.10.10記》

■ 平成25年度設計製図試験対策−3


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆試験まであと僅かになりました。前回に一旦掲載しながら、WEB上から削除したものを形を変え てお送りします。 前回の対策ー3を削除したのは、某指導機関が作成した課題文をそのままコピーして掲載したためで す。今回改めて概要を伝えることでお送りします。改めてお送りするのは、それだけ皆さんが陥り易 い事柄だったからです。   某課題概要   T、設計条件     この課題は、或る地方都市において、大学のセミナーハウスを計画するものである。静かな    自然環境の中で起居を共にし、研修や教育研究を通じ、交流と研鑽を深めることを目的とした    施設を計画するものである。また、この施設は、利用者の宿泊機能を併せもつものとし、屋外    での研修活動や地域住民を交えた発表会や講習会、参加者が専門家の助言を得ながら問題解決    のために行う研究集会(以下「ワークショップ」という。)の場として交流広場を設けるもの    とする。    1.敷地及び周辺条件     (1) 敷地の形状、接道条件、周辺状況等は、下図の通りである。     (2)〜(7)省略                公立小学校       ─────────────────────────────       ─────────────────────────────                         車道            ─────────────────────────────       ─────┬───────────────────┬───            │                   │            │                   │            │                   │            │                   │       公民館  │      敷   地        │ 公共駐車場            │       1,824u       │(屋外平駐車)            │                   │            │                   │            │                   │            │                   │       ─────┴───────────────────┴───                   運動広場    2.建築物     (1)、(2)省略     (3)要求室:下表の室は、すべて計画する。      研修部門       ゼミ室A ・可動間仕切により3室(約25u/1室)に分割して   約75u            個別に利用できるようにする。      ゼミ室B                             約40u      ゼミ室C                             約60u      ゼミ室D                             約25u      講師控室 ・2室設ける。                      適宜      以下省略     3.その他の施設     (1)交流広場(屋外で研修活動や発表会、ワークショップ等を行う場)を、次の通り計画する。      @地上に設けるものとし、まとまったスペース200u以上(ピロティ、上部に屋根等が       ある部分を含めても良い。)とする。      A研修部門のゼミ室との動線に配慮する。     以下省略   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (1)交流広場 Q1:読者諸君は交流広場の位置をどこに配置しますか?   a.地域住民が利用しやすいように北西の角   b.運動広場に面した南西の角   c.地域住民が利用しやすいように北東の角   d.運動広場に面した南東の角 Q2:研修部門のゼミ室と交流広場との動線はどのように配慮しますか?   a.全てのゼミ室が交流広場と直接に行き来できるようにする。   b.研修部門の専用通路を設け交流広場と行き来ができるようにする。   c.共用通路を介して交流広場と行き来ができるようにする。   d.研修部門の専用通路を設け、更に共用部からも行き来ができるようにする。 ※私の手元に送られて来た〇〇さんの計画は、 Q1:A1=a.北東の位置でした。  その理由を計画の要点で次のように説明しています。  Q:交流広場の計画について、その配置とした理由及び動線計画において工夫したこと。  A:交流広場は施設利用者だけでなく地域住民を交えたワークショップなどでも利用することとし    た為、地域住民が気軽に利用でき、また、道路から見渡せるように敷地北西に向ける計画とし    た。 Q2:A2=a.全てのゼミ室と直接に行き来できるようにする。でした。  その理由を計画の要点で次のように説明しています。  Q:ゼミ室の計画について、その位置とした理由及び動線計画において工夫した事。  A:ゼミ室は敷地北西側に設けた交流広場に面して、建物西側に配置し、屋外での研修活動にも配    慮して、交流広場からの利用者への動線に配慮した。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ この回答者の計画に対して、私は次のような講評を送っています。    第〇 課題 講評                       by「E&A」    H25.9.8 〇〇さん計画を見ました。 全体の印象は良くまとめていると感じられました。気になる点を以下にまとめましたので添削図面と 照らして参考にして下さい。   添削図面 1. 計画を決定づける交流広場について少し違和感が有ります。計画の要点で、交流広場の位置取り  の説明がされていますが、地域住民が気楽に利用するために道路に接する必要がありますか?  また、道路から見渡せる必要が有りますか?  資格学校などでは、地域住民が利用する広場は道路からアプローチしやすい場所に設置し、施設利  用者が利用する広場はエントランスを経由した敷地の奥と教わったと思います。貴方もセオリーに  沿って配置したと思います。ただ、地域住民という言葉だけで無条件に道路側と決めませんでした  か。ここで言う地域住民は、研修者の一員として施設を利用するのであって、通りすがりにふらっ  と来て、すーっと立ち去るようなものではないと思いますよ。それよりも、ダイレクトに交流広場  に出入りできるのは、管理上問題では無いでしょうか。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2. 計画では交流広場とゼミ室の関係で腐心されたのが、良く分かります。かなり時間を費やしたの  ではないでしょうか。課題で「ゼミ室との動線を配慮する。」と有るので、すべてのゼミ室が交流  広場と直接アプローチする ようにしたのですね。間違いではないですが、課題ではそこまでは言っ  てなく、もっと緩く「交流広場も研修部門扱いだから、それらを同一機能として動線で結びつけな  さい。」と言っているのではないでしょうか。  試験では少しナーバスになり、課題の一語一句に過剰に反応しがちです。施設の全体の機能を冷静  に読み取り、時間を浪費しないようにして下さい。   交流広場への動線は、エントランスホール(ニュートラルゾーン)と結びつける動線がほしい。  交流広場は外部施設なので、要求室の表では研修部門に記入されていません。しかし、その機能上  から明らかに研修部門といえます。ゼミ室の延長として使うこともあるでしょうが、独立して単独  で使われる事の方が多いと考えます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆エスキスの仕方は今年はお送りしません。課題は違っても例年と同じだからです。エスキスの仕方  はH24年度で扱っていますので参考にして下さい。 ◆課題には特徴があります。機械的に反応するのでなく、敷地の状況などを注意深く観察して全体の  構想を立ててみて下さい。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
    
■  topに戻る ■  対策−4へ