D.イメージ構想
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D.イメージ構想
● 1階イメージ
・南西に管理部門を配置し駐車場をまとめる。
・南中央エントランスを配し、車いす用駐車場からの寄りつきを考慮する。
・南東にテラスを配し、テラス・食堂からの湖畔の眺望を考慮する。
・残る研修部門は北側に配し、落ち着いた環境を提供する。
● 2階のイメージ
・浴室を眺望の良い南向きに優先的に配置する。
宿泊室も眺望の良い南側と行きたいところだが、物理的に不可能だから、
中央吹抜けを挟んで北と南に振り分けて配置する。宿泊室はリゾートホテ
ルと違い、寝るだけの空間と割り切る。
・中央吹抜けに面して談話室を配置すれば、どの宿泊室からも利用しやすい
壮大なくつろぎ空間が生まれる。
・トップライト越しに臨める満天の星空が心を癒し、非日常の体験を味わう
ことになる。都心を離れこの地にセミナーハウスを建設することの意義を
感じることだろう。
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2階の全体の構成は、中央に吹抜けや、階段、EVなどの縦系統をまとめ
たツィンコリーダ型を想定。
● 研修部門の中で一番広いアトリエは北西の角で設備的にも納まりが良い。
アトリエには安定した採光の北向きが定説だから、北向きは外せない。
同部門のセミナーは、アトリエに続いて北側ゾーンにまとめればよい。
● 何か、イメージの段階でプランが固まっちゃった感じだ。
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(いつもの手順より、イメージが先行してしまったなぁ。)
E.ボリューム検討
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E.ボリューム検討イメージだけでは絵に描いた餅
● 今年の課題は郊外型で建蔽率が60%となっている。注意事項の1つだ。
1,750u×0.6=1,050u 1,050u÷49u≒21
7×7のグリッドでは20〜21グリッドが上限となる。これは結構小さ
い施設だ。
● まず、「E&A」が奨めるスケールメッシュを掛けて敷地を把握しよう。
道路の反対側の北西角から仮に3mの余地を設けて7m×7mのメッシュ
を掛ける。
● 東西は7mスパンが6スパンが可能で、中央エントランスで対応しやすい。
南北は「その他の施設」を考慮すると、ぎりぎり4スパンは可能だが、建
蔽率がオーバーする。
7mスパンを3スパンとすると、6×3=18グリッドで小さくなりすぎ。
4スパンにして一部が欠けた形状で有れば20グリッドになるが、最初か
ら歪な形状を想定したくない。
スパンを7m超にして3スパンでも面積が過小にならない手もあるが、3
スパンではツィンコリーダ型が取りにくそう。
● 南北方向のスパンを6mで検討すると、南北4スパンが可能となる。
6×4=24グリッド 1グリッド(G)=7m×6m=42u
42u×24G=1,008u < 1,050u
● ギリギリだけど建蔽率はOKだ。でも、それにしても例年になく小規模に
なるなぁ。それとバルコニーの出が要注意だ。
● 次に建物を整形の総2階建てが可能かを検討する。
1階 6×4=24G (42u×24G=1,008u)
2階 6×4=24G (42u×24G=1,008u)
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合計 48G ( 2,016u)
吹抜け部分面積:吹き抜け(1G仮定)+アトリエ上部(4G仮定)
=42u+680u=210u
床面積合計: 2,016u−210u=1,806u > 1,800u オーバー
中間目標値:(1,500u+1,800u)÷2 = 1,650u
中間値どころか上限値をもオーバーしてしまう。バルコニーを建物内に
食い込ませるか、吹き抜けを大きく取らなければ駄目だ!
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F.各階のプランを検討
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F.各階のプランを検討
イメージが先行したが、イメージ通りに進むかイメージに従って各室を配
置してみる。
<1階プラン>
● 南面を検討しよう。管理部門は人数も少なくそんなには要らないだろう。
機械室や管理用階段を含め4グリッドで済みそうだ。事務室受付はエント
ランスに隣接。
● 中央からアプローチ。続いて東2スパンが食堂関係を配置すれば、概ね
イメージ通りに展開しそうだ。
● 研修部門は、まず大きな面積のアトリエから北西に4グリッドを配置。
アトリエだから北向きは鉄則だ。
続いてセミナー室A、B、Cをグリッド単位で配置する。これでセミナー
関係はきれいに北側に配置された。
自己設定の面積の室は、柱から僅かにずれた位置に壁を設けることは避け
る。
指定された面積でも、一般的に「約」の場合は±10%の範囲は許容範囲
と考えられているので、フルに活用すればいい。
では、±10%に1〜2uオーバーしたらどうなる?・・・そんな本質か
らはずれたことを気にしていたら、計画そのものの本質を見過ごしてしま
う。整然とまとめることだ。
ここで1階は一旦置いて、2階の検討と行こう。
<2階プラン>
● 南は湖畔に面して眺望がよいが、北側は自然豊かでも視野が広がっては
いない。宿泊室の数が多いので、全室を南に配置できない。どうしても
ツィンコリーダ型になる。
では、どの室を優先的に南に配置すべきか?宿泊でなく浴室でしょう!
宿泊の皆が、1日の疲れを心身共に取り去る場が浴室です。最優先!
● 浴室2グリッドを何処に配置すべきか?
(当初は素直に西に寄せ、宿泊室をまとめて計画したが、当初皆さんに発
表したエスキス図は、入浴後のくつろぎと談話室を意識し過ぎたため、急
きょ中央に変更して発表した。作図の時少しこだわりすぎたと思い直し、
端に戻している。談話室との関係よりも機械室との関係が重要かな。)
● 吹抜は1階とのつながりでエントランスホールの中央に配置。
談話スペースは室ではないので、吹抜けに面した一角を当てる。みんなが
集まりやすい中央にあるのは好都合だ。
吹抜けで結ばれた1階のエントランスホールと2階のホールは大きな広が
りを作り出すことができそうだ。
<1,2階共通>
● 残りは、EV、階段などの縦系統のものになるが、エントランスや受付か
ら分かり易い事が要求される。ホールに面して遮る物がないので隣接して
いなくても比較的分かり易い位置となった。
(ツィンコリーダ型なので、廊下の回遊性に気をつければ、歩行距離や重複
距離の心配はほぼ無い。ツィンコリーダ型の1つのメリットだろう。)
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ほぼイメージ通りに計画できそうなので安心したら、急に腹が減ってきた。
(ぐっ〜!ぐぐっ〜!)
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● 残りは、便所や小部屋。さて、1階の便所は何処にしよう。
1階のスペースは、ほぼ埋まって風除室の隣しかないなぁ。便所は窓に関
係ないから中央に設けたいが、吹抜けがほぼ固定されたので管理用階段の
当たりにしようか。そうすると階段が西に移動し機械室が小さくなる。
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機械室はこちらの方針で決めても良いから、多くは屋外に放り出すとして
小さくても良いか・・・
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いや、待て!少なくても浴室設備が必要になるから、いくら何でも1グリ
ッドは少なすぎる。
・(ぐっ〜!ぐぐっ〜!)
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やはり機械室は犠牲にできない。勿体ないが風除け室の隣に設けよう。
中央のロビーからは風除室を通して湖畔を臨められるし、これで良いか!
Webにアップする作業もあるし、早くまとめて講評しよう!
おやおや、アトリエ準備室を忘れているぞ!!
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エスキス公表1週間後にCAD作図をお送りしました。最後に付け足した
アトリエ準備室を作図の段階で再考して変えました。
(アトリエの間口・奥行き10mの条件をすっかり忘れて、準備室だから
管理部門と結びつけた方がいいと満足げに変更しました。)
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あぁ、無情!
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