~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H24.7.30記》
■ エスキスの進め方−2
前回のエスキスの進め方−1で、課題文の読み取りはただ読むことではない。読んで相手の要求内容
を正確に汲み取ることだと理解して貰えたと思う。
それから、課題の読み取りの間にも既にエスキスは始まっていると言うことも理解して貰えたと思う。
では、今回はいよいよエスキスの進め方の本題に移ろう。
◆<イメージ図を想定>
課題文や読み取りでメモしたものから、施設全体のイメージを視覚に訴える形で表現しよう。
1.敷地へのアプローチを設定。
2.その他の施設の配置を想定。
3.建設可能範囲想定。
4.建物のイメージ図(機能図)作成。
何度か課題をこなした人は、多少上記の文章の意味するところは理解できるだろうが、一度も課題に
取り組んだ事がない人にとっては、何のことか訳解らン!事だろう。
これからの講義は、何度か取り組んだけどまだ良く解らん人にはより有意義だ。
以下詳しく説明していく。
1.敷地へのアプローチ
・計画の第一歩は敷地のアプローチから始まる。
敷地を取り巻く周辺状況から自然と決まる。・・・ここで迷っていてもしょうがない。
・メイン道路 → 大きな道路 → 利用者のアプローチ。
サブ道路 → 2番目の道路→ 管理サービスのアプローチ。
道路幅が同じなら歩道付きをメインとする。巾も同じ、歩道も付いているなら、どちらかメイン
を決めれば良い。一般的には長辺をメインとする。
まずアプローチで利用者とサービスを分けるのが計画の基本。
│ │ ││
────────┘ └── ────────┘└──
─┬─↓────┐ ┌── メイン
│ サブ │ │ ─┬───↓──┐┌──
│ ←メイン │ ││
└──────┤ │ │ ←サブ
└──────┤│
2.その他の施設の配置を想定
・その他の施設は建物を決める重要な要素。建物より先に想定する。
・配置の決め手は敷地へのアプローチに連動する。
メインアプローチ → 利用者アプローチ → 車椅子駐車場、駐輪場。
サブアプローチ → 管理サービス → サービス駐車場、ゴミ置き場。
│ │ ││
───サブ ───┘ └── ────────┘└──
─┬─↓────┐ ┌── メイン
│ SP HP│ │ ─┬───↓──┐┌──
│ 人←メイン │ HP 人 BP ││
│ │ │ │ ││
└──────┤ │ │ SP ←サブ
└────ゴミ ┤│
・広場等がある場合 → 誰が使うのか? →a.地域住民が気軽に利用┬→交差点側、道路側。
地域に開かれた広場 ┘
→b.建物利用者のみ利用─→建物を経由した位置。
│ │ │ │
─────────┘ └── ─────────┘ └──
─┬───────┐ ┌── ─┬───────┐ ┌──
│┏━━┓a広場│ │ │┏━━━━━┓│ │
│┃ ┗━━┓│ │ │┃ ┃│ │
│┃ ┃│ │ │┗━━┓ ┃│ │
│┗━━━━━┛│ │ │b広場┗━━┛│ │
└───────┤ │ └───────┤ │
・判断に苦しむ場合もある。
(レストランや喫茶に付属したテラス)─┬→a.景観が良い側。
└→b.人通りが多い道路側。
│ │ │ │
─────────┘ └── ─────────┘ └──
─┬───────┐ ┌── ─┬───────┐ ┌──
│ │ │ │ bテラス │ │
│ │ │ │ │ │
│ aテラス │ │ │ │ │
└───────┤ │ └───────┤ │
公園 公園
※迷っていても仕方がない時間の無駄。どちらか決めて先に進む。ただし、仮決め。
(自分で決める必要があるものは、自分で決断して決める。具合が悪くなれば、戻ればいい。)
3.建設可能範囲のイメージ
・これから先は個々の課題文によるので説明しづらいのだが、無理に説明すると・・・
・敷地の周辺状況 ⇒ アプローチ。 ─┐
⇒ 利用者ゾーン・管理サービスゾーンの想定─┴→その他の施設の配置
・敷地 − その他の施設 = 建設可能範囲(その他の施設の取り方で可能範囲は変わる。)
││
──────────────┘└──
メイン
─┬─────↓──────┐┌──
│ HP 人 BP テラス││
│┏━━━━━━━━━┓ ││
│┃ ┠─┼┼─太枠は建設可能範囲(イメージなのでアバウト)
│┃ 利用者 ┃ ││
│┣━━━━━┳━━━┫SP ←サブ
│┃事務所コア┃管理 ┃ ││
│┗━━━━━┻━━━┛ゴミ │
└────────────┤│
4.建物のイメージ図(機能図)を作成・・・(課題の位置指定と一般論論からまとめる)
・今年の課題から単一用途の建物だから機能図は複雑ではない。まして今年の課題は貸事務所ビル
なので基準階を決めれば、後は1階のみの計画となる。
・イメージ図をまとめる上でのチェックポイント
A.メインエントランスを設定。 ⇔ 敷地アプローチと連動。
B.利用者ゾーン、管理サポートゾーンを設定。⇔ 基準階、その他の施設と連動。
C.メインエントランスにつながる室の設定。
D.課題文で位置関係が示されたものを設定。
E.一般的な優先事項を考慮。(事務所ビルには該当しないものも有る。)
・方位との関係 → 南 → 居住条件が良い・・・住居、保育施設など。
西 → 西日がきつい ・・・事務室には不向き。
・道路との関係 → 採光、通風、視界、アピールしたい室。・・・居室、店舗、事務室。
・隣地との関係 → 視界、のぞき、騒音。 → 一般的には隣地への配慮。
・室の性格 → くつろぎを要求している室 → 景観が良い場所。
・イメージ図を作るとき、部門ごとにまとめる事(ゾーニング)を意識してまとめる。
・イメージ図は面積が反映されていないのでプランではない。勘違いしないように!
・イメージ図を作るのに四苦八苦する人が居るが、課題文を整理すると言う段階だから、そんなに
悩まない。
平面プランに移行する段階で変わったりもするし、決めかねるものはぼやかしておいても良い。
イメージ図は文章を視覚に訴える表現だから、要点を把握しやすく見落としが少なくなる。
・計画が進まない人には、課題文が整理できずイメージがまとめきれない人と、まとめても各室を
旨く配置できない人が居る。まずは、イメージ図をまとめることをマスターしよう。
・繰り返して言う。イメージ図は計画平面ではない。イメージ図から平面図に移行する段階で、ス
ペースから変わって行く。だからこの段階で悩む問題ではない。(読取りから25分〜30分)
││
──────────────┘└──
メイン
─┬─────↓──────┐┌──
│ HP 人 BP テラス ││
│┏━━━┳━┳━━━┓ ││
│┃展示室┃ ┃喫茶 ┠─┼┼(位置関係のイメージなのでスケールはアバウト)
│┃ ┃ ┣━┳━┫ ││
│┣━━━┛ ╋━┻━┫SP ←サブ
│┃事務所コア┃管理 ┃ ││
│┗━━━━━┻━━━┛ゴミ │
└────────────┤│
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆「E&A」は、一級建築士を目指す皆さんを応援します。少しずつ更新しますからお楽しみに。
|