∞∞∞∞■『日経BP模擬試験チャレンジ奮闘記:計画の要点編』∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞《H23.9.30記》



 今日は模試の計画の要点をお送りします。昨年の設計製図の合否に、この計画の要点が大きく影響し
たと以前にも記述しました。文章で記述するために、日頃から要領よく表現できる様にしておかなけれ
ば成りません。
 皆さんの中には、要点の記述は覚えた知識を書き留めるものだと思っている人はませんか?指導校で
配布された記述例を、一生懸命に書き写しても何の意味もありません。記述の中には計画の意図(目的)
と結果(計画)をしっかり関連づけて表現する必要があります。

今日お送りする計画の要点は、前回お送りした『日経BP模擬試験チャレンジ奮闘記:エスキス編』の
チャレンジャーの回答に基づいて記述しますので、エスキス図と見比べながら読んでみて下さい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆計画の要点  計画の要点は、課題文のU.要求図書の最後に記してあることが多い。(過去2回の本試験では。) 要求図書の欄に書いてあるから、作図の時に読めばいいなんて思ってたら大間違いだ。計画に当たって の留意点と並び、採点上の大きなポイントが記してある。  試験元が要求している事項なので、この項目を注意深く読み、意識して計画を練れば大きな減点が無 いプランと成るし、計画の要点も書きやすくなる。 【模擬試験の課題】  模擬試験の計画の要点は、以下のようになっていた。 (1)建築計画について、次の@〜Cの要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分    についても記述する。   @建物へのアプローチの計画について、利用者、施設管理者及びサービス事業者の動線計画におい    て工夫したこと。   A汚物処理について、動線計画において工夫したこと。   Bユニット型での計画について、特に工夫したこと。   C建築環境負荷について、建築計画上工夫したこと。 (2)構造計画について、次の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分について    も記述する。   @建築物に採用した構造種別、加工形式及びスパン割りとこれらを採用した理由。 (3)設備計画について、次の@〜Bの要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない部分    についても記述する。   @エレベーター計画について配慮したこと。   A空調設備について、採用した方式とその理由。   B照明計画について、特に工夫したこと。  過去2回の記述を踏襲した課題となっている。建築・構造・設備と項目を分けて出題され、今年も こういう形で出題されるであろう。各項目とも要求図面では表せない部分についても記述するように 要求されている。逆な言い方を言えば、作図で表現されて無くても、的を得た事項なら書いた方が良 いのだろう。  これまでの試験では、計画の要点について試験元から回答例は示されていない。従って、どのよう な評価が下されるか分からないところだが、少なくとも、間違った記述と図面と不一致の記述は、避 けよう!計画と記述の不一致は、覚えてきた文章をただ書き写しただけと見られ印象は良くない。  要点の記述では色んな考え方が有るのだから、余程間違った記述でない限り考え方で減点される恐 れは少ないと思う。恐れずに自分の計画での考え方を、堂々と記述すればいい。試験元の言っている 通りに正解の記述なんて無いのさ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ では、早速(?)チャレンジャーの模試の計画の要点を披露しよう。 (1)@利用者にとってアプローチが分かりやすいことは重要な要素であるので、道幅の広い東側の     道路からとし、施設関係者等のアプローチは利用者と交差しない北側道路からと、明確に分   離する事で安心安全な建物とした。    A汚物は、入所者や通所者などの利用者ゾーンとは切り離し、出来るだけ汚物の移動距離を短     くするようにした。特に外部への搬出は、直接サービス車へ積み込みが出来るように近接さ     せた。    Bユニット型の施設では、共同生活スペースが生活の中心と成るように、最も環境の良い南側     に配置した。    CLowーEガラスを使用し、外部熱負荷の低減。地下ピットを利用した雨水の有効活用を諮     ると共に、設備ではコージェネレーションシステムを採用し、廃熱を有効に活用するシステ     ムで環境負荷の低減を諮った。 (2)@鉄筋コンクリート造。耐力壁付きラーメン架構とし、剛性を高め地震時の変形を少なくした。     スパンは縦横とも同一長さとし、平面的に安定した架構とした。また、スパン長をRC造の     一般的な長さ7mとする事で、建設コストの経済性も配慮した。    (耐力壁付は、バランス良く設けられなければ控えた方が良いのだろうが、完璧なバランスを     追求しなければ、何処か設けられるものだ。メリットを生かしたい。まして、図面に記入の     条件が無ければ、中層の建物では一般的な工法と考える。) (3)@エレベーターは利用者に分かりやすい位置に設けた。車いす利用者が多いことを考慮して、     エレベーターの扉は2方向式とし、入庫した状態でそのまま前進出庫出来るようにした。    Aガスエンジンヒートポンプ空調マルチ方式とし、室内機は天井カセットタイプを使用するこ     とで、省スペースやランニングコストの低減を諮った。    B施設の性格上、つけっぱなしの照明器具が多い為に、LED照明器具とする事で節電を諮っ     た。    (老健施設での照明計画の特徴は、これと言ったものが思い浮かばないので書きづらい。しか     し、何か書かねば未完成扱いとなってしまう。当たり前のようなことでも堂々と書こう!)    (文章の長さは、回答欄の少なくとも2/3強は埋めたい。それと、記述試験で最も重要な事     は、採点官に読んで貰う事を意識した文字で書くことだ。上手でなくても良い。丁寧に書く     ことが重要だ。そのためには、時間が押し迫った作図終了後でなくエスキス終了後に書くこ     とだね。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆本試験ではどのような条件で出されるか分かりませんが、要点の記述では、どのような記述が正解  と言える性格のものでは無いので、当たり前のことでもしっかりと記述しよう! ◆試験まで後僅かとなりました。試験までに「まとめ」をお送りしようと思います。  「E&A」の一級建築士サポートは、広告収入でお送りしています。トップに戻り「アフリエイト」  をご利用していただくと有り難いです。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
    
■  topに戻る ■  「まとめ」へ