~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H22.08.25記》
■ 平成21年度設計製図試験対策−6


◆美術館を知ろう! 出直し見学  先週は守衛さんに大目玉を食らって、今週に出直すことにした。 受付で事務所に連絡をして貰って待っていると、スタッフの方が来られた。背がスラ〜と高く好みの女 性だ。「まずどちらから案内しましょうか。」と聞かれたので、前の続きをと思ったら、他の連中はこ の美術館は初めての様子。「全部案内して下さい!」と後ろの方から元気の良い声。 「では、こちらからのチケット売場からご案内します。」 「当館は有料の美術館になっていますので、皆さんこちらでチケットをお買い求めて頂きます。」と皆 がチケットを買うのを待っている様子。 「当館の常設展示と現在催しています◯◯展と同時にお買い求めになるとお安くなっております。」 ・・・先週見たのに又お金を出してはいるの?以外としっかりした女性だなぁ。・・・ 常設展示のチケットの半券と◯◯展のチケットを渡され、案内の女性に付いていくと、そこは常設展示 場だった。 「こちらが当館が所蔵していますピソカの△△やゴッホンの◇◇を常時展示しています。」 「7月〜9月は、その他に現代アートを主体としたテーマで展示してございます。」 案内の女性は絵画を鑑賞する間もなく、どんどん先に進んでいってしまう。壁に掲げられた大小の絵画 を横目で眺めながら必死で付いていく。何度かコーナーを曲がって元の入り口まで戻った。 広いエントランスホールに、吹き抜けを介して上部から明るい光が降り注ぐ。 直ぐ隣りは別の展示室だ。これが季節ごとに作品を入れ替えると言う別の展示室だな。現代アートか。 中に入ると、ジーと熱心に見つめる訳知ったような人物が、随分と後ろに立って緩衝している。絵画か ら4m程も離れているだろうか。鑑賞の邪魔しちゃいけないから、その人の後ろをソーとすり抜けた。 ぐるりと回遊してまた元の位置に戻ると、「続いて2階の展示室をご案内します。」とEVに誘う。 天皇陛下のご鑑賞じゃないんだから、案内もこんなもんか。 2階に上がると、やはり広いホールに上から柔らかい光が降り注ぐ。右手を見ると青々とした樹木に覆 われた□□公園がガラス越しに見える。ベンチやソファが有るから後で休もう。 次に案内されたのが、新聞やテレビで報道していた○○展だ。入り口の前のカウンターで○○展のチケ ットを渡す。常設とは別運営なんだな。 中にはいると先ほどの展示室よりも、蛇のように蛇行したように感じる。天井も高いし随分と規模の大 きな部屋だなぁ。そう言えばパネルで区画されているが上部の方は空いているので、大きな広い空間だ。 途中に柱が1本も無いぞ!無柱空間だ! コーナーを曲がった先に大きな扉が見える。アッそうだ!この扉の先には先日覗いた準備室が有るんだ! 今週から公開だったんだな。先週は準備中だったからこの展示は未だ見ていない。じっくり見ようと思 っても、案内の女性はサッサと先に進む。・・・ついに出口まで来てしまった。 「こちらの展示室は、現在市内の小中学生の写生大会の優秀作品を並べております。」 「入場料は無料でございます。」と、どことなく得意げに言われた。 「有り難うございます。」ってお礼を言わなきゃいけないのかなって感じで・・・ 小学生の可愛らしい絵を見ると、自分が描いた頃の事が思いだされ何処か懐かしく感じた。次に中学生 のコーナーに行くと、ビックリだ!わずか数年の年の差で、こんなにも進歩するものかと驚いた。 中には大人顔負けの立派な作品が展示されている。 「才能だなぁ・・・」と少し羨ましく感じながらも、先を急がされた。 元のホールに出ると右手に何か活気を感ずる部屋が有る。案内された先は、美術教室だ。今日は陶芸教 室の日と言うことで、エプロンを身につけた男女が十数名いる。平均年齢は高そうだ。奥に流しが有っ たり棚が有ったりして、今まで見た展示場とは違った雰囲気を出している。美術館にもこういう施設が 有るのかと驚いてしまった。 「当美術館は、市民の皆様に気楽に芸術に触れ合っていただくことをモットーに運営しております。」 「今日の陶芸の他、絵画は勿論、ビーズ刺繍教室、折り紙教室も開いて入りますので、是非皆様もご利 用下さい。」とピーアールが入った。 次に案内されたのが、図書資料室だ。所有のピソカやゴッホンに関する本やパネルが展示してあり、奥 には美術一般に関する資料も有るそうだ。 こうして改めて美術館を見てみると、色んなタイプの美術館が有るもんだと感心した。ここの美術館の 2階は1階と雰囲気がガラッと変わって参加型の美術館のようだ。 先ほどのラウンジのソファで一休みしようと座りかけると、「続いて、後方部門をご案内します!」と の声。本来の目的の後方見学がやっと始まるのかと、くたびれた足を引きずり後に従った。 2階ホールの突き当たりの扉を開けると、そこには先日見た人家用の大きなEVが目に飛び込んできた。 EVの前は少し広いスペースで左手には先ほどの写生大会の展示室の扉があり、右手の廊下の奥には準 備室が有る。ここの美術館の後方部門は両企画展示室にそれぞれつながって、それぞれに準備が出来る プランになっているんだ。 階下に降りると、先日絞られた守衛室が有る。・・・嫌なことを想い出してしまった。 1階の後方は先日紛れ込んで見学した通りで、別に目新しい室を案内されることなく荷捌き室まで来て しまった。 「これで当美術館の全室をご案内しました。」 「何かご質問は有りますか?」 ・・・ 「展示の準備は夜間だけでなく、他が開催されていても日中から準備作業はしているのですか?」 「2階の企画展示室は頻繁に入れ替えがあります。夜間も準備はしますが、主に日中です。」 「他の展示場の邪魔にならないように、当館の後方部門はそれぞれに出入口を設け準備出来るようにな  っています。」 「1階の常設展示場はエントランスホールを通らないと準備できないようになっていますけど、日中行  うのですか?」 「いいえ、常設展示の方はほとんど入れ替えはありませんし、有ったとしても当館が所有する物の入れ  替えですから、夜間や休刊日の利用者お有られないときに準備いたします。」 「ガス室がありましたが、どの範囲をガス消火するのですか?」 「有毒ガスですので、当館では貴重な収蔵品を収納している収蔵庫のみとなっています。」 ・・・ 「他にご質問は有りませんか。無いようですので、これでご案内は終了させていただきます。」 「それでは、お気をつけてお帰り下さい。」 「1級建築士の試験、頑張って下さいね〜。」 ・・・ 「エェ! 外に出ちゃったぞ!」 「まだ、○○展を見ていないのに!」・・・「おお〜い!中に入れてくれ〜!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 皆さんも見学は済みましたか? 美術館も色んなタイプが有ります。全部を見ることは出来ませんが、建物そのものを真似をするのでな く、その機能を学習すれば良いと思います。 皆さんが体験した利用客としての動線、建物を管理するスタッフ動線、準備をする人達の動線(出展物 の搬入動線)を意識し、それぞれが不用意に交錯しないこと。 同じ種類の部門はまとめて配置する事が、計画そのものです。 そのためには、中でどのような行動が行われているか知ることが重要ですね。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
■  Topに戻る         ■  回答例へ