~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H21.2.21記》
■ 平成21年度設計製図試験対策−4
◆試験元の評価基準の総括。
試験元が発表した標準解答例と受験者の回答から合格基準を探ろうとしたが、試験元が発表しない限
りはっきりしたことは解らない。しかし、「E&A」では、こう考えます。
1.未完成や面積オーバー以外での一発不合格項目は存在しない。減点の集積で決まる。
2.一見した印象の採点でなく、項目に従って詳しく分析し採点されている。
3.採点項目は、財団法人建築技術教育普及センターでは、設計製図試験について次のように記して
います。
・一級建築士試験「設計製図の試験」は、「与えられた内容及び条件を充たす建築物を計画し、設
計する知識及び技能について設計図書等の作成を求めて行う」。
採点のポイントは、次の5点からなっています。(赤の→以降は「E&A」の解釈)
(1)計画一般
→ 周辺環境に対応した計画。敷地利用計画。アプローチ計画。
(2)設計課題の特色に応じた計画
→ 用途の機能を充たした計画。ゾーニング。動線計画。
(3)構造設備に対する理解
→ この項目はH21年度から新たに強化される事項だから特に注意したい。だが、設計製図
試験と言うことを考えれば、学科試験で学習したことを越える内容は要求しないだろう。
必要な項目は確実に計画し、図面に的確に反映させれば良いものと考える。
→ 構造的には、絶対駄目なことか、好ましくない程度かにより採点は大きく異なるだろう。
受験者の回答−3は、梁のせ柱を計画している。好ましいスタイルでない事は解ってい
ると思う。でも、下部がSRC造であるなら出来ないことではない。応力的に経済的に
不利だから余り遣らないと言うことだ。だから、この計画は減点程度で済んで、致命傷
にはなっていない。
受験者回答−5は、基準階部分の1階から7階までSRC造となっている。構造設定違
反に思えるが、SRC造の建物としては立派に成り立っている。条件違反での減点とい
う事だろうか。(今年の構造条件は、「RC造だが一部SRC造で良い」等表現に曖昧
さが有ったため、重大な不適合には、し難かったのだろう。)
→ 設備については、DS、PS、機械室など方針に従って計画されているか、スペースは
充分か。矛盾はないか。等が判断される。
DSが階段、EVなどの縦シャフトに囲まれて横引きダクトが設けられないなどは減点
だろう。天井と梁の間に横引きダクトスペースが無いのも減点だろう。
(4)設計図書の表現
→ 伝達手段としての要件をクリアしていること。
フリーハンドでも勿論OKだが、落書きと感じさせるものは図面じゃない。
フリーハンドの作図には、それなりの訓練が必要となる。長い線をフリーハンドで描く
のは難しいが、短い線はフリーハンドと定規との区別は付きにくいから大いに利用すべ
きだ。
(5)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
→ 試験でなくても設計には一定の条件が付くのは当たり前で、その中で計画を立て無くて
はならない。客の要望などもそれに当たるが、要望を100%反映させるのは並大抵の
事ではない。まして尋常では考えられない程の短時間での計画である。どこか満足させ
得ないところが出てくるのは当たり前だ。では、何処までが許されるかだ。それを考え
れば、合否の基準が見えてこないだろうか。
先に参考にさせて貰った日経BP社「ケンプラッツ建築・住宅」の記事でも7項目の失格
項目が触れられていた。
1. 未完成(計画の要点、面積表含む)
2. 階数間違い
3. 上下階不一致(特にエレベータ−、階段)
4. 床面積(6000m2)オーバー
5. 所要室欠落(階指定、便所、電気機械室含む)
6. エレベーターやエスカレーターの欠落
7. その他、設計条件を著しく逸脱しているもの
これらの全てが一発不合格事項とは考え難い。客との対応を基準に考えてみれば分かり
易いと思う。
1.については、期限内に提出されないので勿論失格。
2.については、階数は重要な要件だから、これが違った計画が出されても突っ返され
るだけでなく、信用失墜だ。
ただ、一概に階数違反=失格でも無かろうと思う。今年の課題のように同じプラン
が繰り返される基準階の有る計画は、計画は条件通りに計画し、面積もクリアした
のに、断面作図に於いてうっかり間違う事もある。これらは重大だが、作図ミスと
しての減点処理だろう。
3.については、エスキスの段階でミスしたのか、作図段階でミスしたのか分からない
が、結果として計画が成立していない。「出直してこい!」と罵声を浴びるだけで
なく、「もう来なくても結構!」と出入り禁止レベルだな。
4.については、法的な面積オーバーは有り得ないが、客先の要望で有れば若干オーバ
ーする事は有り得るが、充分な説明が必要になる。しかし、試験では同一土俵が要
求されるので、以下と記述されていたら厳守しよう。
5.については、失格項目としては甚だ疑問だ。プール付きフィットネスクラブなのに
肝心のプールが計画されていないなどの根幹に関わるものの欠落で有れば、別の課
題の計画と思われても致し方ないが、さほど重要でないものの欠落は減点処理だろ
う。何れにしても、欠落は減点になるが、減点の大きさは、課題の重要度に依るこ
とは言うまでもない事だろう。
また、欠落でも計画されていないのか、計画したが書き込み不足で表現されていな
いかで受け取り方は大きく違う。だから、完璧でなくても間仕切りだけでも計画し
た痕跡を残す必要がある。例えば便所などは内部は省略して間仕切りだけとか。
勿論、内部まで仕上げた人と同じ扱いにはならないのは覚悟しなくてはいけないが、
減点をいかに少なくするかが合否に影響する。
6.については、昇降機は垂直動線の基本だから動線計画の上で重要な要素だが、作図
不足による台数不足等は減点処理だろう。先の便所の例のようにシャフトだけでも
表現しておくことだ。
7.については、課題に関係ない計画をしてもいくら立派な計画でも駄目ということ。
具体的に言えば、事前に準備した計画を書き写してもダメって事。
(中にいるんだよな。ヤケクソで以前計画したものを書くやつが。)
課題に従って計画を立てるのは当たり前のことだが、全てを満たし得ないのも現実
だ。まして、○○に配慮とか、安全に等の曖昧な要求事項は、人によって解釈も判
断も大きく異なる。
そう言うものは不適合と言うよりもハードルの問題だから、時間との兼ね合いで冷
静に処理していけば良い。全てを満足させようとして、条件項目は網羅したが建物
になってないものを見かける。味噌も糞も同じ扱いでなく、重点の置き方が計画を
まとめる上で重要になってくる。
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◆ 学科試験の前に設計製図の講義を読んでいるのは、昨年学科試験を合格した人が主だと思います。
すなわち、昨年の設計製図の試験に涙をのまれた方々では無いでしょうか。
不合格になった人の理由は人それぞれでしょうが、合格のための1つの考え方と思って読み進め
て下さい。
確実に合格するためには、出来るだけ課題を多くこなし、的確なアドバイスを得ることですね。
その辺が、設計製図試験で独学が難しいところです。資格学校ではもうすぐ講義が始まります。
今年こそは、合格をゲットしましょう!
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