~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H20.6.24記》
■ 平成20年度設計製図試験対策−2
対策−1ではH19年度試験の特徴を色々と並べました。例年と比べ様子が大きく変わったことは分
かったと思います。
設計条件の一部を自分で決めるという此までにない課題は、受験者の皆さんを楽にしたのは間違い有
りません。殆どの受験者が書き終えランクWが例年になく少なかったことが、このことを物語ってい
ます。結果、49.4%の合格者が誕生しました。
実は、設計製図試験を受けるに当たって重要なヒントがここに隠されています。
設計製図試験は条件が多く、短時間の間にそれらをクリアーしなければなりません。
多くの受験者は、高得点を採り合格したいという強い思いから、条件の1つたりとも無視してはいけ
ないとの思いが強すぎ、自ら解答を難しくしてないだろうか。
昨年受験した皆さんは、受験する前に色んな想定課題をこなして受験したと思う。その時に課題文の
一部を読み飛ばし、条件を無視して計画したことが有ると思う。
1つでも条件を無視して進めると、非常に楽に計画できたという経験をしたことは無いだろうか。
そう。全てを満足しようとするから難しいのであって、どれか1つでも満足ではないけど、こんなと
ころかなと少し緩めてみてはどうだろうか。H19年度の試験は、その事を言い表してくれたと思う。
ただ、条件を緩めたり無視したりしたものが、致命傷にならない事だ。
課題で大変重要な事項を無視してしまうと取り返しは出来ない。1発アウト!ってことにならないよ
うにすることだ。
では、何が重要で1発アウトなんだ!教えてくれ!って声が聞こえてきそうだ。
それは課題によっても違ってくるだろうが、一般的に言えば、
1)設計条件の冒頭の@A・・・の条件に概ね沿っているかどうか。
2)設計製図の試験は、「動線とゾーニング〜!」をいかに旨く整理しまとめる事が出来るかを確か
める試験だから、縦動線であるEV、階段を無視したり、重要な室を無視したんでは試験になら
ない。1発退場!だろう。
とにかく、1発退場や、未完成だけは絶対避けたいところだ。
あとの事項は追々述べて行こうと思う。
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◆平成19年度設計製図検証−2◆
設計製図試験は絶対評価試験と言うが、現実は或る程度の数を調整しているのは衆知の事実ではない
だろうか。
では、計画の上では差が出にくかったH19年度の試験は、何処で差を付けたのだろう。
まずは、H19年度課題の特徴である「構造・設備の理解」と「計画の要点の記述」だ。
次に、いくら諸条件をクリアーしていても、計画されたものが建築的かどうか。此が最大のポイント。
【合否の差】
1.計画が建築的であるか否か。
→ 課題には色んな条件がある。しかし、それらの条件を全て満足したとしても出来上がった案
が建築としてサマにならない計画を目にすることがある。
採点が所要室の有無、面積、位置関係などチェック項目に従って定量的に採点されるものなら、
間違いなく合格だろう。しかし、毎年一つも違反項目が無かったのに不合格だったと落胆する
人を見かける。なぜ不合格になったか、原因が分からないと言う人々だ。
これは大変不幸なことで、こういう人は同じ間違いをしてしまう。
所要室の備考欄の記述のように具体的な数字や記述にばかりに目を奪われ、出題元の意図を丁
寧に汲み取らないと合格は難しいし、細かいことを意識する余りに結果的に建築らしくないも
のも合格は難しい。
反面、面積違反や条件違反、細かい点の漏れなどが有りながら合格する人もいる。殆どの人が
これに該当する。100点満点なんて有り得ないから、何らかの形で違反をしたり、無視した
りして減点を食らったとしても合格する。その差は、やはり計画が「建築的か否か」だ。
建築らしいとは? ・・・これを文章で説明するのは非常に難しい。
ではどうすれば良い?・・・日頃から関心を持つ。建築雑誌を読む(余り芸術を意識したもの
でない方がよい)。建物を見る。接する。などなど。
(設計を業務とする人にとっては当たり前の事なんだけど。)
2.自分勝手なこだわり。
→ 上記の1.の記述から、現在は設計の業務には就いていないけど、資格を取ったら設計の仕
事をしたいと思っている人は少し落胆したかも知れない。
しかし、設計の業務をしている人が必ずしも有利とは言えない。彼らには犯しやすい癖がある。
それは、こだわり。
課題文から飛躍し、この建物はこう有らねば成らぬと、勝手に要求レベル以上のものを想定し
て深みにはまることだ。
3.設計者として配慮すること。
→ 前回の記述「課題の特徴」3.で、「公共駐車場からのアプローチは設計者としては考えた
いところだ。実際、駐車場からのアプローチを考慮した数少ない受験者の合格率が高かったこ
とは救われる思いだ。」と記した。
H19年の試験の特徴の1つに、「条件に直接記述されていないものを配慮した計画が、ある
程度評価してもらえた。」という傾向が見られることから、減点法での採点だけでなく、加点
評価も見られることだ。
先の2.ではこだわりを捨てろ!と言いながら、設計者として配慮したことが加点評価されそ
うだなんて書くと、皆迷ってしまうだろう。こだわりは、あくまでも時間との兼ね合いである。
設計条件の中から設計者としてどう配慮するかは、各設計者によって違ってくるものだし、ど
の点を配慮したら加点されるかというよりも、設計者自身が自ら考え計画することそのものが
重要なのだ。
設計製図の試験の試験が、パズル的に解答しなければならなかった此までの試験から、設計者
の考えを持って回答する試験に大きく変わろうとしていると言って良い。
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◆昨年の設計製図試験をベースに色々と述べていますが、今年初めて設計製図を受験される方は、今
は学科試験で頭が一杯だと思います。でも、通りすがりでも建物は良く観察していて下さいね。
学科試験が終わったら、資格学校等で直接教えを請うか、「E&A」のサポートの過去問を良く読
んで下さい。
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最後に、アフィリエイト・コーナーをアクティブにして、どれかクリックして帰ってネ。
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