~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H17.12.9記》
いよいよ、結果発表まで残すところ10日余りとなりました。受験者の皆さんにとってはこの2ヶ
月という期間はさぞ長く感じられたことでしょう。この間に、偽装建築士を巡って世間が大騒ぎと
なりました。1級建築士を目指す皆さんにとっても、人ごとではない出来事でしたね。
一連の報道の中で、7日に姉歯建築士処分を審査した中央建築士審査会のTV報道で、1級建築士
製図試験の標準解答例とおぼしき映像が映し出されるというハプニングが有りました。報道を見ら
れていた皆さんも、「おやっ!」と思われたことと思います。
解答例をすべて見ることは出来ませんでしたが、1階平面と2階平面、立面図の一部を垣間見るこ
とが出来ました。
◆主観的な要求−2
その中で、最も目を引いたのが立面図でした。新設部がカーテンウォールになっていたことですね。
既存建物を一部残した建物の実例によく見られるファサードだったので、「そりゃ、そうだよね。
建築的にはこう処理したいよね。」と思う反面、だけど「調和って、これ?」との気持ちも同時に
湧いてきました。
課題の要求する「調和」に対して悩んだのは、何だったんだろう?
課題の狙いを気にする余り、創造的願望を殺してまで「試験は試験」と言い聞かせ、安易に既存に
合わせようとした自分は何だったんだ!と少し戸惑いも感じたのです。
でも、映像が標準解答例という保証もないし、また解答例だったとしても標準解答例の1例だから、
別案は既存に調子を合わせた解答例でしょう。だから、既存に合わせた皆さんがガッカリする必要
は有りませんよ。(そうでなかったら、怒るよ!)
今回の「調和」と言う主観的な要求には、1つの方向性を示せ得ないと言うことですかね。そうだ
としたら、なおさらのこと自分を見失わずに自信を持って取り組むべきですね。
「自分の計画は、こう言う考えで調和をこう表現した!」と、でないと周りの人に流される偽装建
築士見たいになっちゃうよ。やはり、1級建築士は信念とプライドを持たなくてはね。自戒を込め
て考える今日この頃です。
でも、そうなると試験時間等も考え直さなくちゃね。それと、こういう主観的なことを課題にする
のなら、設計主旨とセットで問うて欲しかった。(ちゃんと読んでよ。どこかの審査機関みたいに、
いい加減じゃ困るよ!)
正式に発表された標準解答例でもないのに、あれやこれや言ってもはじまらないので、正式に発表
が有るまで静かに待つとしましょう。
◆設計製図で要求されるものは
1級建築士の設計製図試験は、5時間半ですよね。課題分を読みとり、整理するのに30分、エス
キス時間が1.5時間〜2時間、作図が3時間〜3.5時間が一般的な配分でしょう。
要は、これだけの規模の建物をわずか1.5時間程度で考える試験なんですよ。実務では考えられ
ないほどの短い時間です。
設計の業務で言えば、建築主の要望と大きく違わないか確認する最初の計画摺り合わせ程度と考え
た方が良いですね。(もっとも、実務では提出するからには、4、5日掛けて案を練るけども。)
摺り合わせ計画案に要求されるものは、
@建築的に成立すること。(構造的に、設備的に、空間的に)
A建築主の最初に出された要望を大きくそれないこと。
が最低必要ですね。
今後、打合わせの会を重ねることで計画を充実させれば良いのであって、最初から理想像は示せな
い。それで良いんじゃないかな。それでも、短時間にまとめるって大変なことだよ。ほとんどイン
スピレーションで処理する事になってしまう。
それには、日頃、建築にどれだけ接するか。興味を持つか。愛するかじゃないだろうか。
そう日常の努力の上に立って、受験対策を採る。そう言う人に1級建築士の資格は付いてくるのじ
ゃないのかな。
では、皆さんの朗報を待つことにしましょう。Good Luck!
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