~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~《H17.2.5記》

■ 平成17年製図試験に向けて


平成16年度の結果発表があってから、月日が経つのは早いもので新しい年を迎えました。 昨年、残念ながら合格を逃がしたみなさんは、既に気を取り直し新たな気持ちで取り組んでいるものと思います。 昨年の一級建築士の試験を省みますと、ここ数年の流れに反して学科試験で大量の合格者がでました。 これは国土交通省の政策転換なのかどうかは判りません。 しかし、大量の学科試験の合格者は、そのまま大量の製図受験者となり製図試験にも大きく影響をしました。 大量の学科合格者をうけて製図合格者も例年になく多くの合格者がでましたが、これは一過性のものでしょうか。 例年の合格者の統計から傾向を検証してみました。 一級建築士試験状況     ( )内数値は前年比(%)                   (資料参照)日本住宅新聞 ほか              平成11年度   平成12年度   平成13年度   平成14年度   平成15年度   平成16年度   平成17年度 学科試験受験者数      57,431    56,389 (98)↓ 54,210 (96)↓  53,908 (99)↓  51,283 (95)↓ 47,305 (92)↓   ? 学科試験合格者数      10,419    10,302 (99)↓ 6,880 (67)↓ 5,716 (83)↓ 7,430(130)↑  11,904(160)↑   ? 製図初年度受験者数  10,303    10,192      6,788      5,651   7,338     11,720      ? 製図初年度未受験者数       116      110       92       65       92       184      ? 製図初年度合格者数   4,520     4,373 (97)↓  2,154 (49)↓  1,834 (85)↓ 2,635(144)↑   3,461(131)↑   ? 製図初年度受験合格率 43.9%     42.9% 31.7%      32.5% 35.9%   29.5%       ? 学科製図ストレート合格率 7.9%     7.8%      4.0%   ↓   3.4%   ↓ 5.1% ↑ 7.3% ↑   ? 製図合格者初年度率   61.3%     61.8%      52.3%   ↓   49.1% ↓ 58.8%  ↑ 63.3%  ↑   ? 製図総受験者数(初年+角番)16,160    15,971     12,480     10,203     11,100     16,313     8,259+? 製図角番受験者数   5,858     5,779      5,692      4,562  3,762    4,593     8,259 製図角番合格者数   2,584     2,700(104)↑   1,966 (73)↓   1,899 (97)↓ 1,842 (97)↓ 2,009(109)↑   ? 製図角番合格率    48.7%     46.7%      34.5%      41.7%    49.0% 43.7%       ? 製図合格者角番率    38.7%     38.2%      47.7%   ↑   50.9%   ↑ 41.2% ↓ 36.7%   ↓   ? 製図試験最終合格者数   7,374     7,074 (96)↓  4,120 (58)↓  3,733 (91)↓   4,477(120)↑ 5,470(122)↑   ? 製図試験最終合格率  45.6%     44.3%   ↓  33.0%   ↓  36.6% ↑  40.3% ↑ 33.5%   ↓    ? 受験者に対する合格率     12.8%     12.5%      7.6%      6.9%      8.7%      11.6%       ? 次年度角番受験者数     3,274     3,079      3,726      3,882      4,795      8,259人      ?   上の統計で分かることは、 @受験者数が年々減少していること。        ・・・・・・・・・・・・建築界を取り巻く環境か?少子化か?それとも試験の難易度UPか? A平成13年度に始まった合格者の減少傾向が、平成15年度から反転し ・・・国土交通省の方針転換を少し感じる。  13年以前に戻りつつあること。 B最終合格率と初年度合格率とは比例し、角番の合格率は反比例すること。・・・大量合格は初年度組に有利?初年度といっても3回組、5回組? C製図の受験者総数は平成11年度の頃までに回復したが、合格者数で見 ・・・受験者総数が減少しているのに回復は、学科大量合格の影響か?  ると回復していないこと。 D平成17年度は、過去に例を見ないほどの角番となった受験者が再チャ ・・・これがどう影響するかが問題だ。  レンジする事になること。 これらの数値から平成17年度を占うのは難しいが、多くの角番の受験者を抱えた平成17年度の 設計製図試験は狭き門になるのは確実ですね。 実感として、平成13年度を境に課題が複雑になって難しくなってきています。 しかし、複雑になっても試験時間は以前と同じ5時間半の勝負。 いかに手際よく計画できるか。課題文をいかに早くイメージできるかに掛ってくると思います。 日頃設計と無縁の方は、日常の生活の中で建築を図面に置き換えて学ぶことでしょう。 「学ぶ」は「まねる」から来ているとも言われます。 また、試験の性格からみて、学ぶ対象は平凡なものがいいのですね。 建築雑誌で取り上げられるような独創的なものをイメージしても、試験では処理しきれないでしょうから。 設計製図試験は、日頃設計の仕事に従事している方が有利と見なされていますが、一概にそうとは言い切れません。 多くの力ある人が失敗しています。それは、設計に対する意識が高いところに有るがための結果かもしれません。 設計製図試験は、設計コンペでは無いですからね。 一級建築士は設計と工事監理を行うための資格です。だから、それらを業務としている方、また目指している方に 頑張ってもらいたいと思います。「E&A」は明日の建築士を応援します。
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